歌舞伎を見てきました。

2014-11-05

meijiza

明治座に、四代目市川猿之助さんの歌舞伎を見に行きました。
昼の部で、地味な演目でしたが、とても楽しめました。
僕がお世話になりました。故五代目河原崎國太郎(人間国宝)師は、
実は、先々代の二代目市川猿之助さんが師匠になります。
つまり、かなり遠いですが、縁がないわけではない。笑

かなり久々に歌舞伎を見たのですが、やはり良いですね。
たとえば、定式幕が幕引きされ開くわけですが、これがすでに技の世界ですね。

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下に紹介します文献から引用しますね。
狂言方の打つ「廻り」が「二丁」に直って幕開きの鳴物がかかります。
狂言方はその鳴物に合わせて初めはゆっくり、段々細かく柝(き)を
きざんでいきます。
幕引きはそれを聞きながら、ほどよいところでスタートして、除々に
スピードを上げながら、鳴物が「アゲの手」になって
幕が開ききったときに演奏を終わり、舞台全体があらわれたところで
「止め柝」が聞かされると一番好ましいわけです。

つまり、これが息を合わせるって事だと思います
なにも、リズムを合わせているわけではありません。
てんでばらばらに始めて、ばらばらなリズムで
それでもって、合わせるわけですね。これぞ日本の文化ですね。
劇的というのでしょうか?
なんか、戻って来た~って、感覚になります。気持ちいいですね。

こういう息をあわせる教育を学校でしたら良いのに。笑

ところで、この定式幕の三色ですが、これといった意味はない
ということになっているようですが、黒、柿、萌葱ですね。

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僕は、特にこの柿色に意味があるような気が、します。
僕のゲスな勘ぐりですが、柿色は平家の色で、非人の色でもあります。
俳優は、すぐれた非人とも読めますからね。
武士の着用は禁止されていました。
徳川は源氏の流れというわけですからね。この理由は推測ですが。
その色をあえて使うあたりは、やはり傾奇者なのかな?

話しを元に戻しまして、笑
この演目、他にも浅黄幕や霞幕も登場します。
浅黄幕は、舞台を一度に全てを見せず、後から引き抜いて
驚かせる趣向のものです。
霞幕は、
この時は、下手に長唄、上手に清元でしたが、途中、入れ替わりのため
山台を目隠しして地方さんがはけたりはいったりするわけです。

こんな風に幕をひとつとっても、それらが生きた登場人物と同じ様に
舞台で機能していることに素晴らしく日本のオリジナリティを感じるわけです。

最後に、一緒に見に行った女性が、上手で附け打ちしてる人がカッコイイと
言ってました。まるで、オーケストラの指揮者の様だとも。
確かに、舞台監督のような感じかもしれませんね。
東京では、大道具から附け打ちが出るようで、
関西では、狂言方が附け打ちを兼ねるようです。
いづれにせよ、芝居に携わるみんなが、芝居ごころを必要としているわけですね。

一座建立ってわけですよ。笑

  
参考文献↓

 

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