お稽古はじめるよ Vol 10

2016-07-27

tamura
※視覚について、その4※

視線を消すということでいえば、一つに輪郭をなぞらないという方法があります。
なにか対象物を見たとき、それを認識しようとして輪郭をなぞることをしがちです。
そうすると視線がはっきり出てしましますし、対象物を二次元で捉えてしまいます。
距離が近いと、視線が小刻みに動いたりして、映像の芝居には不利な場合があります。
いずれにせよ相手を平面でみるとどうしても奥行きがでませんし、認識しようとして
相手のあらを探すような感じの視線になってしまいます。

名称未設定-1これを避けるため、相手を量とか質とか、塊として捉えてみます。
漫画を書くのではなくちょうど彫刻で木から切り出すようなイメージかもしれません。

miru宙に浮いた雲の様な存在として捉えるわけですね。
こうすると前回取り上げたように見るという行為が止まらず連続していくわけです。
これで、視線は消せるわけですが、問題は焦点が合わないということです。
二人の距離が縮まってくるとき焦点が移動しないのは、やはりおかしいわけです。
そこで、対象物の抽象化ということをやってみます。
相手を抽象形として捉えるわけです。この場合、この抽象が空想であっては無意味
ですし、ある記号化をすると識別感覚になってしまいますので注意が必要です。
あくまでも、今そこに有る物を具体の抽象化をするわけです。

miru2こうして相手を捉えると今までとは違った側面が見えてきますし、
意外と相手を意識することなく見ることも可能になります。
このことは、こうして文章を読んでいても全く実感が湧かないと思いますが、
やってみれば、あっと、思う事でしょう。

説明が文章にすると難しいのですが、実技では簡単に行える内容です。

見るという行為の不思議な一面が感じられるわけですね。

まだまだ、実験することが多くありそうです。

つづき

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