江戸の声 鈴木丹士郎

お屋敷言葉

 御奉公は有りがとうござりますよ。躾けるとなしに行儀がよくなります。内においてどのやうにやましく申ても、折屈(をりかがみ)(行儀作法)が直りませね。お屋敷さまへ上げておきますと、おれそれ(立ち居振る舞いのしかた)が何処か違って参ります。

うちまき:魔除けのためにまく米 室町時代に米をさす女房になった。
おあし:「孔方」中国では穴あき銭の中心に方形の孔(あな)あることから、銭の異称
おいど:尻。おいどが低いとは声が低いのもじり
おいろ:紅
おかず:数々の物を取り合わせるの意「御数」
おかちん:餅 
おぐし:髪の毛
おさつ:サツマイモ
おつむり:頭
おでん:田楽
おなか:腹
おひえ:木綿・麻などの綿入りの夜着
おひや:水
おむし:味噌
およなが:夕食
ごすいもじ:御推量
さもじ:魚 さで始まる言葉の後半を省略して文字を添えた言い方。鯖をさす場合が多い
したじ:醤油
ひとすぢ:ぜにさしにつないだ百文銭

武士らしい言葉

自分:身ども・在下(それがし)・拙者・御自分
相手:お身・お手前(まい)・貴様・其元(そのもと)・こなた・おのれ・其方・貴殿
他人:慮外者・不届者

上方方言

ゑらう:ゑらい
具合:不都合のこと
夜さり:夜なり
づつない:術ない・せつない
こまそ:こます やる
お家さん:妻
傍(ねき):際(きは)
嬰児(いと)さん:小女・娘
何色じやしらん:何だかしらんなり
酔(すい):江戸で言う通(つう)
あないな:あの様なり
着物(きりもの):着物
わい:わたし
はしりこくら:かける事 
こける:ころぶなり
最前:さっき
往(いんできます):行って参ること
丸:すっぽんのこと
千度:おおいということ
焚(たく):煮る
あほらしい:をろかなり
やくたい:悪い事
薄したぢ:上方の「すまし」は江戸の「おしたじ」にあたる
玉:都にて第一ということ
的等(てきら):あれ・彼ら
おます:ござります
いしこらしう:自慢らしい
何たら角(か)たら:なんとやらかんとやら
けたい:忌々しきなり
けつね:狐
しんど:くたびれ

 

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