二項対立からの脱却

kyoto123

☆世の中の物を見たり感じたりするときに、どうしても二項対立で物事を見てしまいがちです。
善と悪、勝と負、右と左、上と下、中と外、などなど、数えだしたらきりがありません。
立ち回りでいうと、刀と自分ですね。
普通に思考するとこの二極論に陥りやすくなります。
これは、二次元的で、つまり平面的で机上の空論になりかねません。
しかし実際に我々が生きている世界は、三次元以上の世界です。
このことを、先人たちは智恵として戒めてきたようです。
この二項対立からの脱却こそが、技の世界や創造の世界への入り口のような気がします。
何かの参考になれば、よいのですが。。

*二項対立からの脱却を図るために、あえて三つの物を設定した経緯があるのでは?
三点三極を取るという手法
・三種の神器  ・序破急  ・じゃんけん
※序破急は普通、起承転結に対して、物語の進め方をより劇的にする方法と考えられていますが、あえて僕は、序(物語の構成)、破(状態や情況)、急(時間軸の調整)ではないかと考え、ここに加えました。 

文献

・二項対立からの脱却を感覚的に捉えた感じの文献

   ☆おのが身は有無のみやこの渡し船
    行くも帰るも風にまかせて           二宮尊徳

この世界は、有無に代表されるように二元に埋め尽くされている。
もう一つ、有無のない世界も実は知っていてそこを往復している。
それは、風まかせである。

・二項対立を両方を捨てることで、脱却しようとしている文献

   ☆内外を両忘するに若かず(しかず)。両忘すれば、即ち澄然無事。(ちょうぜんぶじ)
               程明道(ていめいどう) 「定性書」(ていせいしょ)

   ☆慧能の偈
     菩提本樹無し(ぼだいもとじゅなし)
     明鏡も亦台(まただい)に非ず
     本来無一物(ほんらいむいちもつ)     六祖壇教

 身と心を対応させ、迷いと悟りをライバル視するのではなく、本来無一物と否定した。

    ☆心頭滅却すれば、火自ら涼し         快川和尚

 寒暑苦楽と自分とを対立させない、心(相対的認識)を同化して昇華させる。

    ☆蓋し(けだし)兵法者は、勝負を争わず、強弱に拘らず、一歩を退かず、
    敵、我を見ず、我、敵を見ず。天地末分、陰陽不到の処に徹して直ちに功を得べし。
                               澤庵禅師 「太阿記」

 仏法を通じて兵法の意義を説いた書物

おまけ

    敷島の大和ごころを 人とはば 朝日ににほふ 山ざくらばな     本居宣長

  
参考文献

資料室

 


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