11月, 2016年

話すこと聞くこと その2

2016-11-25

kaki

私たちは、冷静に自分を分析してみると分かるのですが
みんなで話をしていて、誰かがしゃべっているとき
その話を聞いていないで、自分もいっしょにしゃべっている。
または、次に自分が話すタイミングを図ったり、内容を考えたり
人の話は聞いているようで実のところあまり聞いていなかったりする。
つまり会話とは、お互いに話している状態になるわけです。

聞くという行為をしっかり意識していかないと
話すことの付属品のような存在になってしまうわけです。
普段の会話なら、お互い言いたいことを言って終わってもよいのですが、
舞台となると、そうもいきません。
演者は、お客さんに対して、一方的に語りかけているわけですし、
お客様は、一方的に聞いているわけです。
そして、どちらかと言えば難しい、聞く側にお客さんがいるという
困難な構図が浮かび上がってくるわけです。

このことを解消する方法は、ひょっとしたら視線と同じように
あるベクトル(聴線)を消せばよいのかもしれないのです。
そこで、思い出されるのが能舞台の下に埋められた瓶の存在です。
舞台の下には瓶が埋めてあったりします。
多分、音響をよくするためだろうと科学的には言われています。

noh_butai kame(Yahooで検索した画像を使わせていただいてます)

通常、舞台からお客様に話すと、明確なベクトルが出来ます

hanasuこれを瓶を使ってみますと、演者はこの瓶に話しかけます
お客様は、この瓶に音を聞きに行くわけです。

hanasu2このように音声の伝達にある空間を使うと、ベクトルは消えお客様は
自然と音を楽しむことが出来、ストーリーもわかりやすくなるわけです。
演じている演者と、演者の話す言葉を分離させ、別々に独立して味わうわけです。

この方式、考えてみれば、もっと良いことが発見できます、
上の図では、演者と観客は同等に描かれていますが、
もし、これが、お客様が将軍様だったとしたら、、
直接見ることも、語ることも実はとても畏れ多いことです。
このことを避けるためにも瓶を利用することは、便宜上とても有効だと思われます。

聞くという行為を純粋化するために、その言葉の発生地点を
特定しないこと、そして空間、つまり間を利用すると言うこと
日本画の何も描かれていない間と同じように
物の本質を浮かび上がらせるための必要な間として、生きてくるのだと思います。

つづき

お稽古はじめるよ

演技ラボ

 

 

 

第48回侍クラブ稽古会

2016-11-24

samurai10

第48回侍クラブ稽古会が無事に終わりました
雨の影響か?参加者は少なめでしたので、ちょっと脱線しつつ(いつものことか?)いろいろ動いてみました。

身近な型でいえば、お茶碗と箸をちゃんと持てているのか?
と言うとかなり怪しいと思う人が多いのでは無いのでしょうか?
みんなで確認しあいました。笑

かくいう僕も、違っていた!
人差し指を使わないと言われると、かなり人差し指を使っている!
中指と薬指だけで持てるか?ものがつまめるのか!
練習中です。

これらを道具という考え方で、使えれば良いでしょとするのは
合理主義って奴ですね。
しかし日本人は、道具はいわゆる道具として使ってなかった
道具は自分を成長させてくれるものだった
そして、生きている物として扱います。だから束縛しません。
刀の持ち方もそうですね。ナイフやフォークの様に強く握りしめません。
刀は道具ではありません、武士の魂です。
そして箸手前は抜刀に等しいと言われています。
ここまで言われたら、
武士がちゃんと箸を扱うのは当然のたしなみになるわけです。

使う人の勝ってでしょと言っていたのでは、型にはならない。
型が出来ないものは、思想が違うと判断される。つまり敵ですね。
だから、その真意を問いただされます。
しかし、型が出来ていればその思想も共にしているので、
相手のことを詮索する必要がないわけです。
これが、日本の型の文化の根底に流れている事ですね。

ですから、侮れないわけですが、今となっては、
はっきり自分の考えを言え!と言われるので、
型はどうでもよいというわけなのでしょうか?
いえいえ、出来た方が良いに決まっています。

そして、これら型は、とても自由な状態のことを指します。
自由すぎて動けない。だから型は決まって見えるのです。
すごいですね。

img_5071

 

 

狐面が呉市で活躍

2016-11-22

kure

伝ふ工房で製作しております、狐面が呉市文化ホールで開催されました
第15回藤井清水音楽祭で「白鳥会」さんによってお披露目されました!

白鳥会(しらとりかい)さんは、三味線演奏を主に活動している会です。
ネットで伝ふ工房のお面を見つけてくださいました。
本当にありがとうございました。

image1image2可愛らしいです。
そして、母親役の狐さん、尻尾が立派です!

image5陰陽師として有名な安倍晴明にまつわる逸話を取り上げて作品に!
幼少の安倍晴明(男の子ではなく中性的に演じてもらいました)が
お母さん(本当は白狐)恋しさに信田の藪に会いにゆき、
霊力を授けてもらう場面だそうです。見たかったです。

image3
白鳥会のみなさま、本当にありがとうございました。

こうして、狐面を通してご縁がつながってとても嬉しい限りです。
お稲荷さんによくお礼を言っておかないといけませんね。

感謝、感謝

 

 

 

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