長崎俊一監督のデレクションライブを見てきました。

2014-02-03

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 東京工芸大学にて、長崎俊一監督デレクションライブを見てきました。
 それって何なのかと言いますと、長崎監督が学生の書いたシナリオを
 ガチンコで本番さながらに監督して撮影する様子を公開するといったものです。
 俳優は、なんと諏訪太朗さんと水島かおりさん!撮影が渡部眞さん。
 これは贅沢だ、しかも無料である。
 役者の人は、高いお金をだしてワークショップうけるようり、よっぽど勉強になると
 思うのですが、それは僕だけか。。
 諏訪さんも水島さんも長崎監督作品では常連のふたり、撮影も含めいつものチーム
 ということは、つまり、これはまったく長崎組の現場とかわらない状況なわけです。
 そういった現場を、第三者として冷静に見学できるというのは、貴重な体験でした。

 いや~、見応えがありました。はじめは、すんなり終わるかに見えた撮影。
 最初のテークの最後の芝居は、二人とも圧巻だった。さすがだ。
 ところが、監督から、もう一度撮らせてくれ。の言葉。
 二人は一瞬、???
 監督「いや、すごく良かったよ、でも途中、なにか引っかからなかったか?」
 諏訪「えー、台詞なんか間違ったか?」
 スタッフ「いえ、台詞はだいじょうぶでした。」
 水島「監督、どこですか?」
 監督「う~ん、どこだっけな」
 僕は、この時気づきました。違う。引っかかったのは、台詞じゃなくて集中だと。
 二人の集中が一瞬だが、緩んだ場所があった、原因も僕にはわかった。
 しかし、そのあと二人は素晴らしく芝居を持ち直した。そして、終わってみれば
 もうその事が分からなくなっていたわけだ。
 しかし、監督はその一瞬の違和感を感じとったわけだ。すごい。
 でも、このシーンは素晴らしかったどうするのだろう?
 監督「前半だけ撮り直すか?」
 水島「気持ち悪いから全部、撮り直しさせて」
 監督「よし、じゃあ、もう一回やろう」

 さて、ここからが長くなるわけです。しかし、これが撮影の醍醐味。
 一発OKは良いが勉強にはならなかったと思う。
 そして、ここから、監督と二人の俳優のしのぎあいが始まるわけです。
 いったん、微妙に狂いだした歯車をどう修正するのか、
 ここで起きた問題は二つ。ひとつは、完璧な芝居をもうしてしまったこと。
 たぶん、二人の中にその意識が、一瞬よぎってしまった。
 次に、狂った歯車の最初の原因を見落としたこと。
 (先輩に向かってなんてことを言ってるですか、僕は!ですから内緒)
 狂った歯車は、まず二人の集中がシンクロしないという形で表れた。
 そしてどちらかが、NGを出し始める。うまく乗れない。
 学生スタッフが、ミスを出し始める。小道具の管理が間に合わない
 状況を把握してないというか、次の一手が学生には思い浮かばす動けない。
 こうした時スタッフが、役者の置かれた微妙な状況に対して無頓着になるのである。
 諏訪さんと水島さんの演技スタイルはちがう。
 そのことに、スタッフが気づいてあげるべきなのだろう。時間はどんどん経過する。
 混沌とする現場。体力を必要とされはじめる瞬間です。
 そして、最後は、天才肌の水島さんの圧巻の演技でこの現場を納めた。
 おもしろい。拍手!!こんなドラマは、お金払っても見る価値があります。
 監督の手綱の取り方は、絶妙で、
 こうした混沌とし始めたときにこその実力が発揮されるわけですね。

 諏訪さんとは、7年ぶりぐらい?
 長崎監督を紹介して下さりました。仕事にはつながらないと思いますが。笑
 水島かおりさんは、大好きな女優さんのひとりですが、いくらなんでも
 僕のことは忘れているだろうと思いましたが、
 せっかくだから声をかけさせて頂きました。楽屋に押しかけちゃった。
 もともとこれを知ったのも彼女のブログが面白くてたまに読んでいたからです。笑

 僕「おはようございます。あのお忘れだと思いますが以前、ドラマでご一緒しました。」
水島「はい、、、、あのたしか要町でしたよね。」
 僕「ええ、そうです」すごい!なんと最初に撮影現場が出てきた。
水島「夫婦役で。。。キスシーンがありましたね」
 僕「そうです。僕にとって現場でのファーストキスでした。」って関係ないだろ。爆

 もう15年ぐらい前になると思います。しかし、覚えていてくれたんですね。感激!
 しかし、これは彼女の記憶力がすごすぎるのか、僕が思い出に残ってくれたのかは、
 定かではありません。爆

 そういえば、水島さんの思い出を言えば
 当時、僕は無い台詞を少しでも足そうと、ランスルーから、なにげに台本にない
 台詞を入れたりしていた。監督から指摘がないのでOKだろうと思い本番へ
 ところが、その台詞、本番では先に水島さんに言われた。爆!

 問題のキスシーンも、実は台本に無く、監督さんの現場での思いつきでした。
 現場にはいるなり、挨拶前に、水島さんから、
 「ねえ、キスシーンがあるんだって、知ってる?」
 「え?聞いてませんが」
 「なんか、するんだってさ」
 って、初対面の最初の会話がこれでした。
 友達でも無いのに、、不思議な距離感のある女優さんだなと感心しました。
 すごく集中する人で、入り込んできますが、
 相手への配慮が半端なくある人なんです。

 う~ん、しかしこの企画は楽しかった。でも、
 思いの外、参観者が少なく、学生諸君は何をしておるんだ!
 俳優の人も、勉強になりますよ。現場の全体の流れが出演しているときには
 みえない事がみえてきますよ~~。って、俺に言われたくないですね。
 ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 


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