昭和女優アベンジャーズ!!「流れる」

2014-09-17

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『流れる』(1956年成瀬巳喜男監督)

 

日本のジメジメ映画監督・成瀬巳喜男の作品。

いつも女性たちの黒い部分をも包み隠さず描くので、見続けると女性不信になりそう。

といってもちゃんと笑い所もある抜群の女優陣の会話劇なので、どんどん引き込まれます。

 

出演が

山田五十鈴・杉村春子・高峰秀子・田中絹代・栗島すみ子・岡田茉莉子などなど

 

もはや昭和女優アベンジャーズ!!!

 

本作は幸田文の原作で、

1955年東京、置き屋「つたの屋」の女性たちの女子会群像劇。

芸者のハレの部分は登場せず、ダラダラした浴衣姿での会話は本音と建て前のなかで揺らぐ姿を映し出してゆきます。

ちょうど経済成長になるなかで、旧態依然の芸者自体が廃れようとしているなか、プライベートゾーンとしての置き屋から登場人物たちの生き方がみえてくる。

 

個人的には女将の山田五十鈴と芸妓の杉村春子のドンピシャな演技は、

ゴジラVSキングキドラをみているような頂上決戦に思えました。

 

この女優陣を操り、無駄なく置き屋の5人の登場人物たちの背景を描く監督の演出力がまったくブレない。

女優さんも所作がしっかりした上で、現代に生きる辛さを表現していて、それぞれに共感する部分がぴたりとあるのです。

 

女優魂と監督魂を感じてしまう1本です。

あらすじ

茜色の映画館

 

 


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