殺陣丸の内講座1

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朝大学60分侍クラブ

殺陣から学ぶ和の総合力

現在所有の模擬刀↓
模擬刀(竹光)9本
模擬刀(亜鉛合金)2本これは重さの確認だけで振ることは出来ません
竹刀5本(剣道用)
定員は16名ぐらい?
靴のままの稽古を想定しました

お試しセット全2回
・第一回 引く文化
第二回 かはす文化

考えられる効用について

日本文化は目に見えないものをどう扱うのかを問われる文化です。
そして、文化の基礎となる日本的な所作は、すっかり忘れられています。
それらのほとんどは、直接対象に働きかけない間接的な動きです。
そうすることによって、対象を生き物として大切に扱う気持ちと
それによって生じる、「間」を楽しんだのだと思います。
侍クラブの稽古では、
知識としての文化ではなく動きとしての文化を体験することによって
忘れていたものを思い出したような、
そんな懐かしさを感じていただければと思っています。
気分転換と発想の転換のヒントになれば嬉しいです。

第一回 引く文化

*挨拶

殺陣は、映像や舞台で行われる見せる為のチャンバラの事です。
格好良く見せる為のアクションなので、今風にアレンジされます。
最近ですと、どうしても、アニメとハリウッド映画の影響を大きく受けています。
そのために、ちょっとスポーツに近くなってしまっているところがあります。
しかし、普通のスポーツ的な動きでしたら、皆さんもなじみがあると思いますので、
ここでは、日本の文化に近い動きについてを解説して行きたいと思います。
文化的動きと言ってもぴんとこないと思いますが、
それらは所作とか型と言われるものなのかもしれません。
あまり固く考えずに、フラットな気持ちで取り組んで頂ければよいと思います。
今回は2回にわけまして、初回が引く文化、二回目がかはす文化に基づいて
実際に動いてやってみたいと思います。

*帯を結ぶ
まず刀を差すために帯を結びます。ベルトを取って頂いてズボンの上から巻きます。
今回は片ばさみ(浪人結び)にします。説明しますので各自挑戦して下さい。
帯は身体に対して水平方向に締めていきますので、
身体の垂直つまり中心線が取りやすくなります。
※帯は用意できますが、時間との兼ね合いで、集まっていただいた方から
すぐに帯だけして頂くとか、ちょっと作戦を練ります。

*刀の名称や差し方の説明
sageo2かたなとは片刃からきています。剣と違って片側にのみが切ることができます。
刀に由来する言葉も簡単に紹介しておきます

*束の握り方(時間を見ながら説明できれば説明します)
私たちは拳を握るとどうしても手首まで固めてしまう習慣があります。
これですと、刀を抜くことが難しくなりますし、柔軟性を失い怪我をしやすくなります。
束を握るときにちょっとした工夫で手首は柔らかくなります
まず手首を曲げます。握るときは小指から握り掌を深くなるように持ってみます
これでかなり緩く持つことが出来たと思います。

*刀の持ち方
刀の持ち方は諸説ありまして、なにが正しいのかは分かりませんが、
大きく二つに分かれています。
束を握るときに両手を離して持つ方法とくっつけて持つ方法です。
離して持つ方法は、剣道がそうですね。主にテコの力を使う方法です。
くっつけて持っていたのは、新選組の方がそう持っていた様です。
北斎の漫画の中に出てくる武道の稽古の様子もくっつけて持っています。
hokusai初心者は特にくっつけて持ったほうが、身体全体を使いますので有効だと思います。
重い刀を振ってみると分かるのですが、くっつけて持つと全身運動になります。

*刀を振るときの注意
竹光とはいえ先がとがっていますし、不用意に振ると危険です。
周りの状況をよく注意して振って下さい。
剣先は、なるべく動かさないのが基本です。
身体を回転するときは剣先を軸にして身体を回して下さい。

*抜刀・左袈裟斬り・血振り・納刀
この一連の動きをさっと案内します。
ここでは細かい所作の説明はしません。
ここまでの経過時間によってこの後の説明を調整していきます

*引く文化
引く文化というのは、日本固有の文化だと思います。
のこぎりは日本だけが引いて切ります。包丁も引いて切りますし、
引き戸という扉が日本にはあります。
そしてなんと言っても皆さんが買い物でお釣りをもらうとき素早く引き算をしています。
海外で、930円の物を買うときに1030円出すと、「??」となるのは
海外の人たちは足し算でお釣りを計算するからですね。
このように生活の中の色々な場面で引くということに遭遇します。
こうしてみても、やはり引くというは日本の文化の一つですね。
では、引く文化を動きの中で体験していきましょう

*ナンバ歩き(ひょっとしたら時間の関係で省きます)
ナンバとう言葉は聞いたことがあると思います。これも諸説ありますので、
真偽の程はわかりませんが、江戸時代までの人がそんな歩き方だったわけです。今のスポーツがひねったりねじったりすることで力を出すことが多いので
そういう観点からいきますと、ナンバは不利というわけですが、
それはジャージーとか運動着の場合はそれで良いかもしれません。
でも着物を着てみたら分かると思いますが、身体をひねったりねじったりすれば
すぐに着崩れするわけです。ですから身体を面としてとらえて動く必要性があります。
ですから、ナンバで歩いていたというのはとても自然な事だったのではと思います
さて、それがどうして引く文化と繋がるのかですね。
では、実際にナンバで歩いてみましょう。
今となっては、ナンバで歩くことはぎこちないと思います。
ところが、今度は下がってみましょう。
下がるときは、驚くほどナンバのが歩き易いわけです。つまり引いたわけです
日本の所作では、正面を向いたまま下がることが良くあります。
相手に背中を見せることが失礼に当たる場合ですね。
ナンバですと楽に下がれるわけです。実は、それだけではありません。
下がったことによって、身体が安定したことが分かると思います。
これも実際に歩いてみるとすぐにわかります。
刀を左に差しますが、これも下がり易くするのに役立っています
(説明しないかも、しない場合は第二回に説明します)

*手拭い引きと袈裟斬り
さて、先ほど左袈裟斬りをしましたが、引いて斬ったわけです。
これを刀を振り下ろすことに気を取られるとなかなか引いて切れませんし
相手に動きを簡単に察知されてしまいます。では、どうするのか
手拭い引きで練習してみましょう。
tenuguiこの状態から、手拭いを引くわけですが
遅い場合や動きがわかりやすい場合は相手が手拭いを掴んで引けなくします。
引く方は、引くことに気を取られないで引くわけです。
この場合は、左足を大きく引く事によって、手を引くことに連動させます。
この時、タイミングを自分で取らないようにします。意志を使わないようにします。
上手く引けたら、左足の引く幅をどんどん小さくしていきます。
方法としては、意識を足首からどんどん上に持ってくれば距離を短く出来ます。

*最後にもう一度、抜刀・左袈裟斬り・血振り・納刀をします。まとめ

ありがとうございました。今回は、引く文化から引くということを中心に動いてみました。
次回は、かはす文化です。日本人は力と力の勝負を避けてきました。
それは、かはす文化からも読み取れます。
これを利用して、相手の刀をかはしてみます。

よろしくお願いいたします。礼

 

第二回かはす文化へ

 

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