映画のサイズについて

cinescope

この写真は、今はもうありませんが、横浜の日劇です。
日本で二番目にシネマスコープを入れた所です。館長は、わざわざアメリカまで行って
このシネマスコープの看板の許可をもらいに行ったそうです。
そしてこれが、シネマスコープ・サイズ 1:2.35 です。上の写真
フィルムの大きさに近い、スタンダードサイズ 1:1.33。下の写真
standard

それから、今のテレビの画面に一番近いアメリカン・ヴィスタサイズ 1:1.85
amevista

とざくっと3種類ですね。僕の子供の頃は、名古屋まで行くとシネラマという映画館があって
スクリーンが湾曲していました。これも、貴重な体験だったのかも。
日本の映画も、昔はシネスコープが多かったようですが、予算の関係とテレビに放映するからなのか、アメリカン・ヴィスタが主流でしたね。今は、家庭に大画面のテレビが多くなったし
撮影もフィルムではなくてデジタルになってきたので、またシネスコサイズが徐々に
増えてきているような気がします。
映画館に行くと、やはりシネスコサイズで見たいですね。サイドに画面があまっている状態で
映画を見るのは、少し寂しい気がします。
ところで、フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーが、面白いことを言っているのでのせておきます。彼も最初シネスコサイズで、映画を撮り始めましたが、フランスの映画館が、彼の時代では
シネスコサイズに対応するスクリーンがあまりに少なくて、あきらめていたようです。
あとは、やはりテレビのサイズ問題ですね。そこに合わせようとした。

Truffaut: Oui alors le contraste c’était que tout d’un coup , les films devenaisnt
un peu plus abstraits, même peut-être un peu plus poétiques.
Par exemple, pour faire des mouvements d’acteurs, il n’est pas nécessaire de
justifier ces mouvements. Dans les films souvent on dit au personnage:
“Là vous écrasez la cigarette ici”…..et avec le cinémascope ce n’est plus la peine
 de donner des raisons, des motivations aux déplacements des acteurs.

 訳:シネマスコープになって、映画は突然、少し抽象的で、少し詩的になった。
たとえば、俳優は、動きに対する動機付けを必要としなくなった。
映画の中ではよく、「あなたは、ここでタバコを消して」なんて指示したけど
シネマスコープでは、動きの理由をつける必要性がなくなったんだ。

面白いですね。この動きの動機付けって、どこの俳優養成講座でもやっていると思います。
動きに理由を求めるんです。そうしないと、段取り的芝居になるらしいです。
僕は、わかりませんが。(内緒)
でも、それが必要ないって、この言葉の示していることは深いですね。
ていうか、とても面白いです。

Film

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