あるものないもの

kiri

この世界は
たくさんの人が
ある、
と信じたものでできている。

何かがある訳じゃない。

でも
そのことを口にする機会も
考える機会も
少ない。

少なくともその考え方を
生活の基盤にすることは
一般的じゃない。

あるものはある。
大抵そこから始める。
でも
本当は
たくさんの人が
ある

思い続けてきたから
あるように感じてるだけで

本当は何もない。

だから
どんな
ある

つくるのかは

本当は
今ここで
決められる。

たくさんの
ある
にがんじがらめに
なっている人は

ない
の世界で生きられない
そこから発想することができない

ある
の世界ばかりだと疲れる

ない
の世界だけでは

疲れはない
ただそこは無限に孤独で
終わりも始まりもなくて
孤独である

だから

極度にある人とは
極度にない人のことで

ある訳でもない訳でもない場所は
居心地の良い
羊水の中みたいなものなのだ。

ある人間の価値観は

極度にあること
そして
ないことを美徳と捉え

またある人間の価値観は

羊水の中という状態を壊さず
保ち
その中にあることで美となる。

どちらが良いとは言えないけれども
結局
おもしろいのはいつも
そのどちらでもない
新たな何かだ。

もっとも強固なある

ジェンダーだ

だから
ジェンダーのがんじがらめになった世界は
もっとも退屈で
息苦しい。
つまらない。

だから非常に多くの人が
これを
破壊しようと躍起になっているけれど

問題を提起したり
ぶつかったり
形取ったり
しているけれど

もっとも簡単な方法は
ない
ことに気づくことだ。

多分現代の恋愛は
進むたびにぶつかる
たくさんの
ある

ない
にした
その先にしか
成就しないものなのだと思う

それは
人類の人類による人類のための
戦いなんじゃないかと思う。

さあ
明日
目を開けたら

どうか
あるものに
とらわれずに
私と会いましょう。

 

ひとりごつ七

コラム


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